汗蒸幕で羊タオル
ソウルの冬は身も凍るほど寒いとは聞いていたけど
私が行った時期はこの冬いちばんの冷え込みだったそうだ。
もう知ってる寒さじゃない。
何枚も着こんで、帽子にマフラー、耳あて、手袋、底の厚いブーツ…
だけじゃなんだか不安で
背中と腰とブーツの中に使い捨てカイロをしのばせる。
それでも寒い。いやもう寒いとか言うよりイタイ。
どうしても覆えない顔がカッチカチに固まってしまうのだった。
マスクしてみたけどそれくらいじゃどうにもならなくて…
いっそ目だし帽をかぶってゴーグルしたかった。
カプスさんに提案してみたものの
スキー場ならいざ知らずソウルの街中ではさすがに怪しすぎて却下。
だけどソウルっ子たちは意外に軽装なのよね。
お嬢さん、ミニスカートにタイツなんかで寒くないの?
やっぱ慣れかしら、いや、若さかしら。うっ
南国生まれの南国育ちの私には、氷点下の街はなんともつらすぎる。
(慣れだと思いたい)
カプスさんが気の毒に思ってくれて「サウナ行きましょうか」と誘ってくれた。
サウナ!あったまれる!もちろん行っきまーす!
そうして行った韓国式サウナの汗蒸幕(チムジルバン)。
観光案内に掲載されているようなエステやあかすりつきの大きなところじゃなく
カプスさんの家の近くにあってこじんまりした地元の人が利用する汗蒸幕に行った。
いわゆる下町の銭湯?みたいな?
男湯、女湯と入口が分かれてて、
タオルと専用着を受け取ったらそれぞれの入り口から入る。
中にはロッカールームと大浴場があってけっこうひろびろ。
ビルの地下にあるんだけどね。
まずは汗蒸幕、と思ってたので専用着に着替えて
よくわからないハングルの看板に迷いながら
男女共同の汗蒸幕へたどり着きカプスさんと落ち合う。
さっそく薬石と黄土を固めて作ったドーム型の汗蒸幕の中に入ってみた。
ふうーあったか~い。
カプスさんがタオルで羊の帽子を作ってくれた。
あ、これ、見たことある~。
たしか韓国ドラマ「私の名前はキム・サムスン」で。
そうなんだ、こうやって作るんだ。へぇー。
彼氏に羊タオル作ってもらえるなんて、ちょっと幸せ。
身体の冷え込み方がハンパじゃなかったのか、あったまるのに30分くらいかかった。
でも一度あったまると出るわ出るわ、汗が噴き出して止まらない。
じんわり芯があったまってる気がする。
暑く感じてきたらそれ以上は無理しないでドームの外に出て、フロアでごろごろする。
このゆったりな過ごし方がなんともリラックスできていいなぁと思った。
いままでのサウナのイメージって、
「むっ」とする熱々サウナと冷たい水を行ったりきたりする感じ?
リラックスというより修行のようで、とくに自分から好んで行きたいとは思わなかった。
でも汗蒸幕ならしょっちゅう行きたいなぁ。
「最近の若い人たちはこういうところでデートするらしいですよ」とカプスさん。
そう、いいよね。こんなごろごろするデートも…って私たちもデートでした(^_^;)
時間を忘れて汗蒸幕とごろごろを繰り返したあと、それぞれの大浴場で汗を流して
ぽかぽかになった身体でまた街に出てみる。
こころなしか寒さも和らいで感じるのは汗蒸幕のおかげなのかしらん。
それとも暖かい手で私の手を握り、
自分のポケットに一緒に入れてくれてるカプスさんのおかげ?
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